ヨルダンの道端で拾ってもらった僕。

アンマンから南の砂漠に向かって僕は移動している。

 

マンスールホテルから乗り合いタクシーに乗ってジェットバスのオフィスでブッキングしバス(長距離バス)に乗っている。

 

ゴツゴツした砂漠の風景を見ながら手は手すりにつかまっている僕。外国ではあるあるなクレイジードライバーによるカーチェイスだ。日本みたいに整っていない道路はゴツゴツと荒く、バスが乗り上げるとバウンドする。そのバウンドをものともしないタイヤのサスペンションに脱帽する僕。

 

どんどんバスは加速していく。休憩を挟んでもバスは加速していく。車線は田舎道になりだんだんと一車線になっていく。アップダウンの激しい道になると対向車も見えない。そんな中を車線の真ん中を走っているバスは堂々としていた。事故にならないのが不思議なくらいだ。

 

そうこうしているうちにアカバについた。時間にして5時間くらいだろうか。近くのマクドナルドで一応Wi-Fiを拾っておく。タクシーのおっちゃんやバスのおっちゃんに、今夜の宿の場所を聞くとアカバではなくペトラだと言われる。騙されてると思って聞き込みを違う人でしてみる。答えはさっきと同じだ。信じきれないので、先ほどのマクドナルドまで戻り調べてみることに。

 

ネットで調べた結果ペトラってところらしい。とりあえず疲れたのでコーラ飲んでブレイクしアカバでの安宿を調べて行ってみることに。ペトラハウスにフラワーホテル。ここが日本人がよく利用する安宿らしい。とりあえず値段交渉に行くことに。

 

マクドナルドからは約10分くらいで着くところに位置し、近くにはバス停もあった。ジェットバスの駐車場からは結構歩かないといけないことになる。

 

どちらとも10JDの高値。迷うことなくペトラに向かうことにした。しかし、バスはペトラまで行かずにマ・アマンっていう近くの町しか行かないらしい。そこからペトラまで約20kmくらいだったのでタクシーでもいいかなと思いバスに乗り込んでマ・アマンまで。

 

マ・アマンに着くと時刻は22:00を回っていた。近くのタクシーに値段交渉すると20JDとふっかけられる。どうしても10JDが切れなかったのでその辺をふらついて策を練ることに。

 

へいと声をかけられてヨルダン人が溜まっているところに行くとジュースとスイカくれた。アジア人ってだけで人気者になれる方程式はここでもあった。後ろから「こんばんは」と話しかけられてびっくりした。

 

日本語を操るヨルダン人。日本語を話すってだけで警戒してしまう僕は、話半分でその人と話していた。騙されたら嫌なので。

 

しかし、みんな見た目きれいにしているし、スカーフは被っていたしトラディショナルな白い格好していたなので、どんどん僕の警戒心は薄れていき、この日本語を話せる人ヨルダン人のアンさんが僕の相談に乗ってくれた。

 

とりあえず宿を探していると言ったら、着いておいでと言われて車に乗り込む僕。ホテルに連れて行ってくれるのかなと思っていたらアンさんの家についた。口数が少ないアンさんの言われるがままに荷物を家の中に入れて外で待機。

 

アンさんは庭にあるテーブルに椅子を集めだした。僕も椅子集めに手伝う。そして着いてきてと、発泡スチロールを手渡されてついていく僕。

 

アンさんの庭にはマスカットがなっていて、山ほどマスカットを僕の発泡スチロールに積んでいく。すごい敷地面積のマスカット畑。砂漠の中に畑の光景が異様で、上を見上げたら満点の星空。

 

それもそのはず。アンさんの家の周りには民家が無く電気の光が畑まで届かない。星空に感動している僕を置いてスタスタ戻っていくアンさんを追いかけた。

 

アンさんの用意したテーブルには何人かの人が集まっていた。こらから何があるのか聞くと今度の選挙の会議らしい。外で会議すること2時間。アラビア語で話すみんなは僕に目もくれず熱く語っている。

 

日本ではお目にかかれないくらい白熱している。怒っているくらい白熱しているのだ。しか素、ボディーランゲージを使いいきなり立ったりもする。

 

僕は本当に置物のようにその場にある存在を消して、マスカットを頬張る。

 

みんな立ち上がって車に乗ってどこかに行くらしい。僕も行くことに。

 

車で走る事30分くらい。街の中に入っていくとある豪邸の前で止まった。見るからにお金持の家だ。みんなに連れられて豪邸に入っていく僕。

 

そこには、明らかに権力者の匂いがプンプンしている人たちが。一室に通されると床は絨毯でびっしり敷き詰められており、壁伝い全体にふかふかなソファーが。上には大きな二つのシャンデリア。真ん中のテーブルは金でコーティングされたスチールのガラスでできたいかにも高そうなやつ。

 

ここでも僕は蚊帳の外で、挨拶交わした以外なんの会話もない。眠くなってきたのをこらえて、ここでも白熱するアラビックの会話を聞いていた.2:00頃を過ぎてようやくみんな帰る雰囲気になってきた。

 

挨拶を交わしてまた車に乗り込んだ。

 

僕を乗せたアンさんの車はアンさんの家について、アンさんは僕を家の中に招き入れてくれた。今日はここで寝なさいと一言言って僕に毛布を持ってきてくれて、少ない会話でアンさんは寝室に向かった。

 

もう僕は眠たかったので寝ることに。

 

朝起きたら、朝食をいただきバスステーションまで送ってもらった。

 

「良い旅を」そう言ってアンさんはすぐに行ってしまった。なんとも不思議な体験だった。こんなにも会話をしなくても寝床を提供してくれたアンさん。なぜか選挙の会議に出席していた僕。最後まで会話が必要最低限だった。しかし、色々と宗教も絡んでいて本当に不思議な体験をした。

 

それこそ無償の優しさ。

 

長々とまとまりのないログになったが、今回の出来事はアンさんとはもう会うことはできないだろうと思うくらい奇跡的な不思議な出来事だ。今でも自分でも信じれない。

 

しかし、今回のことで少し宗教的なことやヨルダンという国。人について深く僕の中で気づきを得れたと思っている。その辺のことはまたまとめてみたいと思う。

 

 

 

なんとも不思議な国だ。実に興味深い。