宗教と武士の教え

「イスラムだから僕は飲めないんだ」そう言って彼は僕らのラム酒を持ってこれはどんな味なんだいと聞いてきた。

 

お酒の味を説明できるほど僕の舌は肥えてないし、味を表現できるほど言葉を知らない。僕らは「大人の味」と言ってこの場を切り抜けた。しかし、彼の真剣な眼差しは僕らを真っ直ぐ見て「禁」について聞いてきた。

 

全てに答えられないが、宗教をリスペクトしつつ言葉を選んで答えられたのではないか。人と関わる上で重要なのが宗教の問題でこれまでたくさんの経験をしてきたが、彼は宗教をリスペクトしているが「禁」を破っているハイブリットであろう。

 

「今」と言う時代が生んだ多様化している若者だろう。「禁」を破っても、お咎めはされないそうだ。しかし、リスペクトの心は忘れていなく夜に鳴るコーランだけはしっかりと、音楽ややっていることを一旦中止してまで聞くらしい。それが彼なりのイスラム教へのリスペクトなのだと言う。僕らにはわからないことだが、信じる道がぶれない彼は真っ直ぐな目をしていた。身なりはボブマーリーみたいやけどね。

 

旅には欠かさずもれなくついて回る宗教の問題だが、宗教は違えど人であって女性（母）から生まれてくる。生きている理由はそれぞれ異なったところで、異なったところにあると思うが、そんなの色々あっても旅の中で出会い、仲良くなり握手を交わす。そうやって友達になったり、ましてや長い付き合いになるかもしれない。

 

旅行者だからって騙されたり、バカにされたり。アジア人だからって人種差別されたり。せやけど、そういう人は一部だけだと思うのです。いい人は本当にいい人で無償の愛をくれる。さっき出会ったばかりの日本の青年に心を置いて話してくれるのだ。　

 

だから僕ももっと真剣に向き合い、心をもっとぶつけていこうと思う。

 

 

昨日、「禁」コーラをしてみた。今日飲むコーラは格別に美味かった。

 

 

 

異なる伝統や異なる文化、異なる人間の間で共通の土台を築くことができる。意見が違ってもお互いを尊重し合うそんな思いやりの気持ち。誰もが知ってることだけど今一度心に刻もう。

 

 

 

潔さもまた武士の心得だろう。