長いサマーバケーションが終わりを告げた

僕はバスでダハブからカイロに移動している。ダハブから二時間くらい進んだところでバスが止まり、二時間くらい待っていたら違うバスが来た。みんな自分の荷物を持って今来たバスに乗り移っている。おそらく何らかの故障でバスは止まってしまったのだろう。乗客は笑いながらバスを乗り換えている。

 

僕も流れに乗って自分の荷物を入れ替えた。最初のバスに乗る前はバスの運転手さんが荷物を入れてくれて、それに対してエジプトの人達はチップを渡していたので僕も渡したが、今度は自分で入れ替えるって様がなんだか笑けてきた。このゆるさがなんだか心地いい。

 

バスは途中で何度かパスポート提示などトイレ休憩で止まり、その度に僕は起こされた。久しぶりの長距離バス移動の洗礼を頂いた。

 

ダハブで一緒に泊まっていたディープブルーの日本人のみんなが見送ってくれたことを思い出し、僕は今カイロで悩んでいる。カイロでの宿は決めていたが、住所も電話番号も知らない。そして今自分がいる場所さえもわからない。そう、僕はここからどうやって宿に行くか全く調べていなかったのだ。

 

なるようになるしかない。そう心に決めとりあえずローカルバスみたいなのがあったのでそこで情報を収集することにした。宿は、カイロのサファリだ。名前はわかるがカイロで見つけるのは困難なことがマップを見たら一目瞭然だ。

 

誰に聞いても「知らない」と言われる。そりゃそうやろ。と、とりあえず街中に行くために「ダウンタウン」に行きたいと伝えるとダウンタウンは大きいよ、「ダウンタウンのどこに行きたいんだい」って言われた。

 

笑ってしまった。ダウンタウンのどこかも、むしろ街の中に宿があることさえも知らない。このままではダメだ、、、、

 

僕は目の前のバスに乗ることにした。「101」のローカルバス。ここで「ダウンタウン」を連発していると、みんな声を揃えて、、、スクエアと言っている。とりあえずそこに向かうことに。

 

数分進んだくらいでここで降りて目の前のバンに乗れと言っている。言われるがままにバンに乗る。バンで、、、、スクエアと言葉を発する。バンはまた進んであっちのバンに乗れと言ってくる。僕はバンをたらいまわされ、このままではたどり着けなさそうなので一か八か、歩いてみることに。

 

右か左か、、とりあえず左に進路をとったが進んだ先は行き止まりに近かったので引き返してから、今度は右に進んだ。

 

どのくらい歩いただろう。歩いていても疲れない。ダハブで体が鈍っていたと思っていたが、体は歩きたかったと僕の足が反応してくれる。こうなったらどこまでも歩ける気がする。目的はわからないが僕は人がいっぱいいる方に向かって歩いた。

 

軍の施設を通り、空港への標識が出てきたところでマップで自分の大まかな位置を想像した。空港に向かうと市街地の中心から遠くなっていくので、とりあえずは空港と逆に歩みを進めた。

 

どんどんと人が増えてくる。ここら辺でもう一度聞き込みをするために今度はWi-Fi狙いに切り替えた。Wi-Fi使えるカフェを探すと近くに使えるところがありそこに入ってアドレスを入手。

 

カフェの店員さんが英語のアドレスをアラビア語に直してくれて僕は一気にバンに乗って宿の近くに着いた。しかし、ここからまた聞き込みを開始し何度も道を迷いながらたどり着いた。

 

それも道端でマップを見ていたら日本人ですかと話しかけられ、宿の事聞いたら地図まで書いてくれて助かった。一緒に写真を撮って宿までラストスパート。

 

サファリホテルについて僕は少し仮眠を取った。

 

宿の要注意人物に描かれていた特徴が僕が出会って道を教えてくれたお兄ちゃんと一致する。騙されないでよかったなと僕はバスで寝れなかった時間を取り戻そうとぐっすり眠った。

 

 

こうしてダハブでの僕のサマーバケーションは終わり、僕の旅は加速していくだろう。