ナイトクラブでファイトクラブ

早朝5時の帰路につく。さっきまでの体の熱気が外気の冷たさによってどんどん生暖かいモノへと変わっていく。

 

今日は雲がなくて月が綺麗だ。湿ったアスファルトに光る月明かりが僕の帰り道を照らしてくれている。

 

家の前で家の鍵を持っていないことに気づく。それでも歩みを止めずに裏庭に回った。焦ることも頭で考える前に体が反応して、トイレの前の窓から忍び込んだ。

 

この窓は真ん中を支点にしてクルッと回る方式で、忍び込むには体を小さくして屈まなくてはならないがいけないものではない。難なく体をすり抜けさせた。久しぶりの朝帰りに眠たい。

 

リビングでは鍵を持っていない僕の帰りを待っていた友人が起きていてくれてびっくりした。まさか起きてるとは思っていなかったので「ごめん」って謝って今夜の話で盛り上がった。

 

 

今夜は僕らは夜の街に繰り出した。

 

外は寒いのに上着を着ずにオシャレしている人が沢山いる。上着を着ない理由は後でわかることになるんだが、お酒を飲んで陽気な音楽が鳴っていたら踊り出さない人はいないだろう。クロークに預けるより身軽にそして、いつでも動けるようにしているらしい。

 

エントランスでボディチェックを済ませて中に入る。並んでいることもあってbarの中は人でいっぱいだ。横に広いカウンターの前は注文する人が沢山いて、カウンターではバーテンの人が慌ただしく動いてお酒を作っていく。

 

注文の仕方がわからなかったのでウイスキーコークを注文。僕らは乾杯してお酒を飲んだ。なんやこれっていうくらい濃い。コーラの味なんて微々たるものでほとんどウイスキーを僕はちびちび飲んでいく。

 

友人たちはビールを頼んで飲んでいる。お酒の種類も飲み方もわからない僕たちは、とりあえずビールを頼むしか選択肢はなかった。目の前でブルードラゴンって注文していたものが美味しそうだったが、実家の麦茶入れのようにでかいピッチャーサイズだったので、いつかそんなのも飲んで見たいと思った。

 

数杯飲んでから友人たちは帰宅してしまったが、夜はまだ始まったばかりなので僕は近くのナイトクラブに乗り込むことにした。

 

エントランスで恒例のボディチェックか?と思いきや、すんなり入らせてもらった。これが東洋人パワーか。と、思いながらエントランス料を払おうとしたら目の前にいたお兄ちゃんたちが払っていてくれていた。

 

列で並んでいた時にちょっと話しただけなのに奢ってくれた。そのままフロアのバーカウンターでお酒を頼み乾杯した。ここでもお兄ちゃんたちはお酒を奢ってくれて優しくしてくれた。本当に至れり尽くせりの対応で感謝でいっぱいだ。

 

ナイトクラブは3フロアからなる構成で1Fpop中心の最近の流行りの今日が流れ、2FはハードなEDMがかかり、3Fでは懐かしの名曲であったりアレンジしているものが多かった。

 

僕はほとんど3Fに居たんだが、3Fには年配層の方もちらほら見受けられ懐かしの曲でお酒を飲みながら体をリズムに合わせて踊らせていた。

 

ナイトクラブとあって音はうるさくて耳元で話さないと聞こえないが、老若男女がこうやって音楽とお酒を楽しむ社交の場がこういうところにもあり、イギリスの音楽や文化と密接に関わりあっている。

 

金髪の東洋人がダンスフロアで踊っているとたくさんの人が声をかけてくれた。みんな本当に優しくてフランクだ。

 

楽しい時間はあっという間に終わってしまう。踊りすぎて汗だくだ。

 

最後の曲はoasisDont look back in angerをみんなで熱唱して終わりとなった。

 

そして僕は一人インスタントラーメンを作って寝たのでした。

 

 

 

お酒の後はやはりラーメンですわ。