もっとも贅沢なもの

人はエネルギーと活気にあふれていて、イスラム圏なのに女性たちは僕に照れながらも優しく話しかけてくれた。永遠と続くんではないかと思わせるまっすぐに続く道は、地元北海道を彷彿させるような地平線まで続く道。

 

あの向こう側には何があるんだろう?。バスの窓から遠くに見えるアトラス山脈の山々には雪がかかっていて、アフリカなのに雪が降るという事実を知って驚き、夜になると寒くなるけど、太陽が出てきて陽に照らされる太陽の暖かさが身にしみるほどに暖かいのがわかる。

 

あれはなんだろう?。たくさんの初めてづくしが目の前に広がっている。どうする?って自問自答しながら聞いてみたり、触ってみたり。売られているものには値段はあってないような、その人次第の駆け引き。久しぶりに旅をしている感覚が戻ってくる。

 

僕は目の前の丘を登ることにした。今日はクリスマスイブで明日はクリスマスってことでこの丘で満天の星空を眺めるために丘でじーっと待つことにした。目の前のフォートを眺めながら、沈んでいく太陽にうっとりし空の色がどんどん変わっていくのを楽しんだ。

 

どんどん暗く染まっていく空を眺めテントを張り、寝袋にくるまって満天の星空を待つこと数時間。どんどんくっきりと星が見え出し、星たちは無数に左右に流れて行った。

 

僕は何を求めてるんだろう。僕は誰かを追っているのかな?自分の思うままに旅をしてきて、多分色々と僕は変わったんだろう。この満天の星空を見て僕は感動した。たくさんの言葉があるけど、何ににも変えられないこの感情。以下でも以上でもない。心を奪われるとはこう言うことを言うのだろう。

 

クリスマスには特別な気持ちをあまり抱いたことがなかったけど、ここからまたクリスマスが好きになるのかもしれない。

 

結局感じるのは他人でもなく、場所でもなく、自分だと言うこと。

 

満天の星空を眺め無性に家族に会いたくなった。家族に僕が感じたことを伝えたい。そして何かのきっかけになれれば嬉しく思う。

 

日付が変わり、十分満足したので寝袋にくるまって目をつぶった。

 

自分らしく生きるってそんなに頑張んなくていいと思う。悲しいことも苦しいことも、全て楽しみに変えられるのが人間で、やっぱり楽しんでる人はかっこいいんだよ。

 

これから起こることを知らずに僕はあっという間に寝てしまったが、こう言うアクシデントが旅の面白さなんだろうな。