本当に失ったものは違うものだった。1

これはシャウエンからエッサウィラまで移動した話だ。

 

僕は朝9:00発のカサブランカ行きのバスに乗り込んだ(100DH)。だいたい9時間ほどの移動と聞いていたので、夕方の6時くらいにはカサブランカについているかなと大まかな予想を立ててカサブランカで一泊し、次の日にエッサウィラに行こうと予定を立てた。

 

民営のバスってこともあり道端で手を挙げている人たちを乗せて走り、バス停ではないところで止まったりと海外のTHEバスを感じ、ゆったりとバスはマイペースに進む。バス停で知り合いがいると話し込むバスの運ちゃんや、なんでここで止まる?ってところで止まり一斉に降りていく男性たち。茂みに隠れてみんな用を足していた。

 

いろんな人が入れ替わりで乗ったり降りたりしている中で僕は一人で座っていたけど、満員になりだしてたまたま同じ宿に泊まっていた彼と一緒に座ることにした。南アフリカ出身の彼の話はとても興味深く、南アフリカについてたくさん教えてもらった。

 

シャウエンからエッサウィラまでの道のりは、田園風景とここは本当にアフリカなのか?って思うほどに綺麗に整った田舎の風景。北海道の田舎に近い風景でどこか懐かしさを感じた。僕のアフリカのイメージはジャングルにガタガタの道路と野生の動物たちのイメージ。イメージとは怖いもので、自分の目で見てみないとわからないことだらけだ。

 

風景を眺めながらいつも間にか寝てしまっていて、気づいたら外は暗くなっていた。うとうとしていたらバスはカサブランカについて乗客たちは一斉に降りていく。周りの人にここがカサブランカなのか確認して僕もバスを降りた。

 

ここはモロッコ最大都市であるカサブランカ。夕方の6時過ぎ。一応バスは時間どうりについたらしい。バス停で彼と別れた僕は明日のチケットを買ってしまおうとバス停で聞き込みを開始してエッサウィラ行きのバス会社まで案内してもらうことに。

 

カサブランカの大きいバス停にはバスが乱立し、こんなぐちゃぐちゃで出発できるのかと思いながら案内してくれる人についていく。明日のエッサウィラ行きのチケットを欲しいと伝える。相手はフランス語を話しているので僕は全くわからなかったが、どうやら明日のチケットは明日また来いと言っているらしい。

 

明日のスケジュールを教えて欲しいと聞いても全く理解してもらえない。そしてエッサウィラ行きのバスは今出るらしい。ボディーランゲージで指を下に指して今出るよって伝えてくる。こうなったら流れに身を任せるのが一番。

 

僕はエッサウィラ行きのバスに乗り込んでエッサウィラに行くとにした。(80DH