さあクスコに行くで

海沿いの道をバスは進みながらビュンビュンとスピードを出し、太陽が落ちて海や水平線は色濃く染まっていく。16:00リマ発のバスは予定の出発時間を過ぎてから出発した。バスの待合ではアナウンスが繰り返し鳴っているが、スペイン語を理解できない僕はクスコという単語と周りにいる同じバスに乗るであろう乗客たちの顔色を伺いアナウンスの内容を予想するしかなかった。

 

アナウンスが終わり乗客カウンターに乗客が一斉に群がる。鯉の餌やりみたいにみんな口をパクパクさせて何か言っている。多分かなり遅れているのだろう、みんなの形相で理解できた。お腹が減っていたので近くのマーケットでご飯を食べることにした。もちろんセビーチェを選択。

 

初めて食べてみたが、ご飯もパスタも野菜も全部のせたボリューム満点のものが来た。予想よりでかい、そして酸っぱい。でも意外と癖になる味で完食できた。

 

お腹いっぱいになりバスの待合にて時間を潰す。人間観察だ。すると、荷物を預ける時に手伝ってあげたおっちゃんが隣に来て話しかけて来た。もちろん僕がスペイン語を話せないのは荷物運ぶのに手伝ってあげた時におっちゃんは知っているはず、しかし僕に何やら話しかけてくれる。

 

僕の予想ではバスはいつ来るかわからないから、この辺にいなさいと言っている気がする。多分そんなことを言ってると思うんだ。笑顔に話しかけて来るおっちゃんと日本語で会話する僕。僕とおっちゃんの両隣にいる女性陣は笑って会話に入って来る。

 

みんなが言ってることは理解できないけど、みんなの笑顔が素敵だ。「バス来ないけどしょうがないね。」そんな会話してると思う。

 

そしてバスは予定の一時間以上も遅れて到着した。乗客たちは一斉に乗り込んでやっとバスは出発した。

 

だんだんと暗くなって来る空を見てから僕は眠りについた。

 

ガヤガヤ、ざわざわ。

 

何やら車内は騒がしく乗客が行き来している。眠りから覚めてあたりを見渡すとほとんどの乗客は外に出ていた。僕も外に出て状況を確認することに。トイレ休憩かなと思ったら、バスがエンジントラブルで止まっているみたいだ。

 

バスの後ろを開けて工具で何やかんやしている。東南アジアのバスの経験からエンジンの故障だとあらかた見当がつく。バスが出発してから5時間は経過していた。ストレッチしてから眠りにつこうといたら、バスの窓からちっちゃな女の子が僕に話しかけて来る。

 

「オラ、アミーゴ」ってゆうて言葉を続けて来る。人懐っこい女の子と遊んでいたら、バスの乗客の子供達が降りて来て僕を追いかけて来る。逃げる僕。かけっこは世界共通で子供が好きな遊びらしい。先に僕がへばってしまった。子供達は元気いっぱいに遊んでいる。

 

バスに戻るとお母さんたちに笑顔で迎え入れられ僕は一旦寝ることに。汗だくだぜ。

 

しばらくすると起こされた。代わりのバスがきてくれたらしい。慌ただしく移動を開始する乗客たちに、男性陣は荷物を入れ替えるためにバスを往復している。僕も手伝うために荷物の入れ替えに加わる。

 

軽いものに、ちっちゃいのに見た目以上に重いものたくさんあった。何入ってんねんと心の中で思いながら淡々と運び出す。そしてバスはまたクスコに向けて出発した。

 

バスでの待ち時間は4時間。よき睡眠を取れたが一体いつになったら到着するんだ??