第1章 恵みの雨

僕が日本に帰国してからもうずいぶんと経つ。だいたい3ヶ月くらいか。日本に帰ってきて時間の経過が恐ろしく遅く感じる。

 

毎日仕事をして賑やかな家に帰ってくる。毎日の11日が過ぎていく時間は、旅をしていた時より遥かに遅く間じ、楽しい時間の過ぎ去る時間の感じ方がよくわかった。

 

アメリカ横断を自転車を盗まれて僕の旅諸々終わってしまったが、アメリカ横断の話を少しずつ書いていこうと思う。

 

僕がアメリカ横断に踏み切った大きな理由。

 

一年と数ヶ月続いた僕の旅は、ボリビアで毎日楽しく友達と遊んだり路上カットをして知り合った人とお酒飲んで、友達が友達を紹介してくれてたくさんの人と関わって日々を過ごしていた。

 

過ごしていたというより、消化していたに近い表現かもしれない。先のことをそんなに考えずに過ごしていた毎日に、刺激を与えてくれたのは旅で知り合った人たちの計画や目標、現在進行形で進んでいるおもろいことしているみんなの表情だった。

 

「楽しく生きてるか?」

 

淡々と過ごしている自分に問いかける言葉はいつもこの言葉だった。楽しんではいるが生きていない。

 

そんなこと思っていたらいてもたってもいられなくなり、アメリカ横断チャリ旅、帰りの航空券買うまで帰れませんを思いついた。思いついたら実行あるのみで、アメリカ行きの航空券をすぐに買った。

 

そして僕のアメリカ自転車横断の旅が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

1章  歓迎の雨

 

 

これは僕の歩んできた物語だ。

 

肉体が、、、、、という意味ではなく、僕が僕らしくと言う意味で。

 

 

 

カラフルな建物にテレビで見たことのある「Holly Wood」の文字。実際に見た文字は割と小さく山の頂付近で僕に、ここはアメリカだぞと言わんばかりに佇んでいる。

 

西海岸のカルフォルニア州。ロサンゼルスのサンタモニカにあるおしゃれな自転車屋さんで、自転車を購入するために自転車屋さんまで歩いてきた。空港からバスを乗り継いで、やっとの思いでついた自転車屋さん。

 

自転車屋さんではどれもおしゃれすぎて高くて買えなく、店員さんに相談した結果中古の自転車屋さんを紹介してくれた。

 

「ちょっと待ってて」

 

とお店の中で談笑しながら待っていると、さっきの店員さんが車で送ってあげるよと言ってくれ車で一緒に自転車屋さんに向かった。

 

車の中で僕の旅の旅程や今までの旅のこと、日本についてたくさん話した。あっという間に自転車屋さんについてしまって別れを惜しみながら硬い握手とハグ。

 

短い時間だったけど彼の発した「Good Luck」にはたくさんの想いが感じられた。

 

自転車屋さんをぐるっと一回りし、一目惚れした自転車を買うことに。それに自転車旅に欠かせないであろうキャリアなどパーツを買ってメンテナンスしてもらった。

 

店員さんたちとインスタグラムのアカウントを交換しいよいよ僕の物語が始まった。

 

自転車屋さんからとりあえず東に向かう。太陽は傾き始めているけど重い荷物と僕を自転車は運んでくれる。右と左のブレーキが日本式と反対なのが最初戸惑ったけどすぐに慣れた。人間の恐ろしくも素晴らしい能力の一つ。順応。

 

東に東に進んではいるものの、ロサンゼルスの街はぐるぐると道が曲がっていて自分がどこにいるのかもわからない。犬を散歩している女の子が手を振ってきた。それに答える僕。車輪はぐるぐると回りっぱなし。

 

ポツポツと雨が降ってきた。大丈夫だろうと僕はペダルを回す。しかし、急に強くなっていく雨脚。近くのトンネルに避難し小一時間くらい雨宿りして僕は雨が止むのを待っていた。

 

 

歓迎の雨なのか?それとも雨男なの?

 

果たして僕の物語はどうなるのか。

 

 

 

つづく・・・・