第7章
体は正直
うとうとしていたら9時ごろの起床となってしまった。遅く起きた時間を取り返すべく、朝ごはんも食べずに身支度を済ませて早々にペダルを回す。あとで後悔するとは知らずに僕は道を進んだ。
まっすぐ進んでいると枝分かれしている道に出くわし、スマートフォンのGPSで確認しようとした。せやけど、スマートフォンのGPSは全く機能していなく、自分がどこにいるのかわからなくなってしまい少し落ち込む。
だけども落ち込んでもしょうがなく、とりあえず進んでみることにした。方向さえあっていればなんとかなるはず。そんな気持ちで三本ある道のまっすぐの道を進む。
ルート66を走っていることは確かで、道にはルート66の文字がくっきりと書いてある。この調子でずっとこの道を行くことにした。
お昼前に休憩しチョコドーナツと水を飲んで一息つきペダルを回す。左右に広がる火星みたいな景色。
(お前、火星には行ったことないやろ!!と心の中でツッコミ)
見たことのない景色と自転車を漕いでいる状況に気持ちが高ぶり、ニヤニヤしながら進む僕。体は正直で体力もありエネルギーもある時は頭の思考がぐるぐる回転する。
アメリカの事、ここから先のこと、日本のことや家族、友達。そしてエロい事。いろんな思いが頭の中を充満している。おれ、このままだとガシすんじゃねーかな?とかね、、、笑
そしてエネルギー不足でペダルを回すエネルギーがない事に気づく。朝ごはんを食べずに来てしまいエネルギーが完全に低下した。補給しようとご飯を食べる。しかし、吸収されてエネルギーになるのは数時間後。完全に僕は後手を踏んでしまった。朝ごはんを食べなかったことを今更ながら後悔する。
ペダルを回しても進まない。だけどもペダルを回し少しずつにでもペダルを回す。回す。回す。全然進まないから休憩も多くなる。だけども、力を出しペダルを回す。頑張って回す。
太陽のてりつけで尚更体力を奪われる。それと同時にどっと疲れが押し寄せてくる。風はないのにペダルを回しても進まない。なんで進まない?と思い自転車をほって寝っ転がって休憩した。
そしたら、道が斜めになっていた。ペットボトルを道に投げるとゆっくりとペットボトルは来た道に転がっていく。緩やかな登りが永遠と続いていたのだ。
簡単に進まない原因が判明した。これで少しは対策を立てられる。
休憩していたら、通りかかった車が引き返して僕に声をかけてくれ、デーツと水1ガロンくれた。本当に助かった。水が後1リットルもなかったから本当に助かった。
人と話すと気分が知らずに上がっていくのがわかる。その調子でペダルを回す。自然と笑顔になった自分が面白くニヤニヤしながら道を進む。変わらない景色だが、なんとなく楽しくなってきた。
日が沈んできたので、近くの空き地にテント張って寝ることにした。月明かりが山々を照らして幻想的な雰囲気になっている。早く寝て体力回復しないと。明日も攻めるぞ。
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